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1. 更年期について知りましょう
2. 閉経とはいつをいうのですか?
3.更年期になると、いろいろな症状がでます。
4.更年期とホルモン補充療法(HRT)
5.HRTの実際の方法
6.HRTに副作用はありますか?
7.HRTを投与できない人
8.他の更年期の治療法は?
9.当院に来院された方々
10.更年期を生き生き過ごしましょう
1. 更年期について知りましょう

 成人女性の卵巣からは、女性ホルモンが周期的に分泌されています。女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。この女性ホルモンの働き によって、月経が起こり妊娠出産が可能となっています。20歳から30歳にかけて活 発に働いていた卵巣は、45歳くらいから急激に働きが低下します。つまり卵巣の老化 です。そうすると、月経が不順になりやがて閉経を迎えます。この閉経前後の10年間を更年期といいます。(図1)
 
図1 年齢によるエストロゲンの変化



2. 閉経とはいつをいうのですか?

 45歳以降で1年間月経がなければ、閉経したと言っていいと思います。1年間月経 がなければ、通常卵巣は働いていないと考えられるので、月経が再開することは稀だからです。閉経の平均年齢は50歳前後です。45歳から55歳の間に90%位の方が閉経します。56歳でほぼ100%の人が閉経します。
3. 更年期になると、いろいろな症状がでます。

 更年期になると女性ホルモンが急激に低下し、女性ホルモン欠乏状態となります。
妊娠出産にはリスクを伴います。そのため女性ホルモンは出産可能な年代の女性の身体を保護していると考えられます。すなわち、血管機能保護、骨量維持、さらには、脳の高次機能保護などのいろいろな臓器保護の働きがあると考えられます。
  更年期になって女性ホルモン欠乏状態となると、臓器保護機能が失われ更年期以降のいろいろな症状の誘因となっています。つまり、ほてり、異常発汗、めまい、不眠、 ゆううつ、膣炎、尿失禁、高脂血症、腰痛、肩こり、骨折などいろいろな症状がでます。(表1)
 
表1 更年期のいろいろな症状
月経異常
月経が頻繁に起こる 間隔が長くなる 不正出血があるなど
自律神経失調
顔のほてり のぼせ 異常発汗 動悸 めまいなど
精神神経症状
倦怠感 不眠 イライラ感 ゆううつなど
泌尿生殖器の異常
性交痛 膣炎 尿失禁など
心血管系疾患
動脈硬化 高脂血症 高血圧 冠動脈疾患 脳卒中など
骨粗しょう症
腰痛 関節痛 骨折など
知覚異常
しびれ 蟻が皮膚を這う感じなど
4. 更年期とホルモン補充療法(HRT)

 ホルモン補充療法(HRT hormone replacement therapy)とは、女性ホルモンが減少しておこるいろいろな症状を、女性ホルモンを投与することによって症状を和らげる治療法です。更年期の急激な顔のほてり、発汗、動悸、不眠、肩こり、腰痛、手足 の冷え、しびれ、性交痛、気分がいらいらする、精神的にうつ状態が続いていると言った症状を改善します。
  またエストロゲンは血中コレステロールを低下させ、善玉コエステロールである HDLを上昇させる働きがあります。また骨量を増加させる働きがあります。そこで、 HRTは、高脂血症の予防や骨粗しょう症の予防、さらには、肌を若々しく保ったりアルツハイマー病の予防にも有効と考えられています。
5. HRTの実際の方法

 卵巣から分泌される女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあります が、更年期障害はエストロゲン欠乏によって症状が発現します。しかしエストロゲン だけの長期の投与は、子宮のある女性では子宮体がんのリスクを高めます。エストロゲンとプロゲステロンを併用すれば、子宮体がんのリスクはHRTを受けてない人よりかえって低下します。
  HRTの具体的な方法は、エストロゲンのみ毎日持続する方法(エストロゲン単独投 与法)と、エストロゲンを持続投与しプロゲステロンを周期的に投与し、毎月出血を 起こす方法(エストロゲン持続・プロゲステロン周期的投与方法)と、エストロゲン・プロゲステロン持続併用投与法があります。エストロゲン・プロゲステロン持続併用 投与法は、半年から一年で出血がなくなりますので、閉経後の人に適しています。エストロゲン単独投与法は子宮がない方に適しています。(図2)
図2 HRTのスケジュール
6. HRTに副作用はありますか?

 HRTによる血中のホルモン量の増加は微量ですが、当然ながら副作用もあります。短期的には、不正出血、胸がはる、下腹部がはるといったマイナートラブルがほとんどです。
 2002年7月米国でのHRTについての臨床試験が中止となり、日本でも大変話題と なりました。それは、エストロゲンとプロゲステロンを同時投与している女性、約1万6千人を5年間観察したところ、骨折や、大腸がん、子宮内膜がんが減少し、乳がん、心筋梗塞、脳卒中が増加したという理由です。具体的な数字をみると、乳がんは、HRTを投与していない人では一年間に千人あたり3人の発生が、HRTを投与している人では、3.8人に増加するというもので、絶対数はそれほど多くありませんでした。
また、死亡率に変化はありませんでした。
 更年期症状のある女性が、HRTによって症状が改善し、生き生きと生活できる事に疑いはありませんが、長期に渡る場合には、乳がん、心血管疾患、脳卒中に十分注意し、定期的な検診が必要です。
7. HRTを投与できない人

 子宮内膜がんや、乳がんなどのエストロゲンと関係のある癌の合併症や既往のある人、血栓症や重症肝機能障害のある方は、HRTにより症状が悪化することがあるので投与できません。
8. 他の更年期の治療法は?

HRT以外に症状に応じて、漢方薬、安定剤、抗うつ剤、自律神経調整剤などがあります。
9. 当院に来院された方々

1)51歳(月経不順あり)
 1年前からめまい、頭痛、肩こり、下肢の痛み(常にピリピリしている感じ)不眠、夜間覚醒という症状があり来院し、HRT、安定剤投与一ヶ月にて改善、半年投与して終了しました。
2)54歳(閉経50歳)
 疲れやすい、だるい、胸苦しい、動悸、発汗、のぼせ、冷え、不眠の症状にて来院し、HRT2週間投与にて改善しました。時々めまいや頭痛はありますが、調子が良いため9ヶ月継続中です。
3)46歳(数年前に子宮筋腫にて子宮摘出)
 数ヶ月前から、頭痛や吐き気のため起きられないという症状にて来院しました。HRT1ヶ月にて改善し、3年継続中です。
4)54歳(閉経51歳)
 動悸、のどのつまり、ほてり、肩こりという症状にて来院しました。HRT2週間投与し改善し3年継続中です。
5)48歳(月経不順あり)
疲れやすい、気分が落ち込む、不眠、ほてり、冷え、肩こり、腰痛、手足のしびれという症状にて来院しました。精神科にて抗うつ剤、睡眠剤3ヶ月投与後、症状が完全には良くならないということで、当院受診しました。HRT開始し、精神科も通院しながら、 症状は改善しました。
6)59歳(49歳時子宮内膜症にて子宮摘出、片側卵巣摘出)
 ひどい頭痛のため首、頭が動かせない状態で、首をほとんど動かさずゆっくり歩くと いう状態で来院しました。内科、脳外科にて異常なしと診断され、夫にホルモンの異常ではないかと言われ当院来院しました。HRT3週間にてほぼ改善しました。
10. 更年期を生き生き過ごしましょう

 日本人女性の平均寿命は今や84歳で、20人に1人の女性が100歳まで生きる時代となりました。人口ピラミッドをみると 更年期世代の女性の人口数が最も多くなっ ています。また労働力としても、20歳代と変わらない労働力(70%)となっています。 ですから更年期以降の女性が健康かどうかは、日本の社会に大きく影響を与えると考えていいと思います。また更年期以降の高齢期を元気に過ごすためにも、更年期は重要で す。
 
更年期のつらい症状があれば、治療をして、症状を緩和して、更年期を生き生き過ごしましょう。
 
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